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「うん,呑もう。お酒ある。」
文は待ってろと居間を出て酒盛りの準備に行った。
「三津さんがうちらの仲間入りしたのを祝して乾杯。」
お酒はあまり呑みたくないが三人に迎え入れられた事は嬉しくてお酒を口にしてしまった。
無理に呑まされてるんじゃないからちびちびと好きなように呑めてちょっとホッとしている。
目の前で和気あいあいと呑む二人の関係を羨望の眼差しで見つめた。
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少しいい気分になってきた三津がポロッと口にした。
「一緒に塾生の世話しとったけぇ息は合うで。」
それに裏で松下村塾を牛耳っていたのは文だと告げられ失礼ながらなるほどなと納得した。「三津さんはうちらの仲間やけぇ何の遠慮もいらんよ。ここに受け入れる仲間がおるんやから自分を余所者やとか思わんでね?」
文の言葉が心に沁みる。周りが顔見知りばかりの輪の中にぽんっと放り込まれるのはかなり孤独を感じるのだ。
周りは良くしてくれるように思うも,少なからず疎外感を感じる。どこか壁があるのだ。
「ありがとうございます……。ここに来て良かったです……。」
三津は膝の上で手を握りしめて涙を零した。
「呑んで思っとる事吐き出し。」
文はさり気なく酒を勧めた。勿論赤禰直伝の三津専用酒だ。
「ホンマは……凄い寂しい……小五郎さんに必要とされんくなったっ……。今度こそどんな事あっても傍に居ようって決めたのにっ……。
それを小五郎さん喜んでくれんかった……。」
文とすみはやっぱりかと言う顔でお互いに見合った。
「好きやのに何で離れたん?」
すみは優しく問いかけた。
「好きやけど苦しいのが嫌でっ好きでいたくないからっ!私逃げたっ。小五郎さんやり直しに来てくれてた……でもまた傷付くのが嫌で逃げた……。
ホンマは一人にされて堪えれる自信ないのっ!
でも小五郎さん嫌いになる勇気もなくてっそしたら向こうから突き放してくれたから……そのまま離れた方がいいの……ずるずる一緒に居たらまたいっぱい苦しいの……。」
「ごめん……逃げりって言ったん私や……三津さんごめん……。」
自分の助言通り三津は素直に従ったんだ。それが余計に三津を苦しめた。
でも三津は首を横に振った。文のせいじゃないと言う。
「これで良いの。私なんかおらんくても小五郎さんには帰る場所いっぱいある。私の帰れる場所はここしかない……。京には戻られへん……。」
京ではお尋ね者になってしまった。戻った所で安心して暮らせない。
「姉上,ここが姉上の帰る場所です。安心してください。ここに居ていいんですよ。
そのうち入江さんが来てくれます。ずっと傍に居てくれますから大丈夫です。」
フサも優しい声で慰めた。嗚咽する三津の背中を擦る。
「あんな愚兄でも三津さんの役に立つならいくらでも甘えたらいいそ。そしたら兄は悦ぶんやけ。」
「そうよ?三津さんに甘えられるのが入江さんの生き甲斐なんやしその生き甲斐奪わんでやって?」
三津は何度も何度も頷いた。
「ほらほら嫌な事は呑んで寝て忘れり。」
文は酒を追加して三津を寝かしつけた。
「本当にお酒弱いんやねぇ。」
ころんと転がって眠ってしまった三津の寝顔をすみが可愛いなとのぞき込んだ。「うちらが強くなり過ぎたんやろ。あの馬鹿共のせいで。」
文はあの仕打ちは忘れんと高杉の顔を思い浮かべて舌打ちをした。
「三津さん桂様の事忘れられるんやろか。」
「忘れられんと思うわ……。でもそれが辛い思い出のままにならんように前を向かせてあげるのが私の役目やと思う。
桂様との日々があったから今があるって思えるようにしてあげたい。」
「うん,うちも手伝う。やけど本当にうちの愚兄の嫁にしてええと思っちょるん?うちはお勧めせんけど。」
すみは三津ならもっといい人がいるはずと言うが文はふふんと笑った。
「すみちゃんは見ちょらんからね。入江さんが三津さんの前では全く別人みたいになるけん。」
今度三津に会いにこっちへ戻るのを楽しみにしとけと笑った。